塾長の日々のメモ

思考。感覚。感情。記憶。コミュニケーション。表現。認知。環境。情報。知。受信。発信。場。先端。後端。

2014年5月14日水曜日

民宿くちのえらぶ

塾長のオオトウです。

私が大好きな島です。くちえらぶ島。口永良部島。


昨日民宿くちのえらぶでの初の小論文合宿への想いを綴った文章をファックスしました。
口永良部島のこの民宿が本当におしゃれで大好きで、、、と書き綴った文章、長いですが、私にとっての思考のマジックアワーがやってきていたので、載せます。

以下全文。

2010年の夏はじめて口永良部島に伺って以来、島の生活に憧れ、挫折し、自分は果たして何のために生きているのか、何のために演奏しているのか、何のために教育に携わっているのかを問い続けています。
 幸せの価値観。隣の芝は青い。本当にみなさんの口永良部島が羨ましく、自分たちの東京ってなんなのかと問い続ける毎日。人にとって幸せの価値観は様々であっても、何か一番大切なもの、本質に近い生き様が島にはある、という確信により私の中の帰島本能はおさまりません。
 
 でも前向きになれたこともたくさんあって、私はやりたくて今の仕事(楽器の演奏と大学入試のための小論文の指導)をやっているのではなくて、これしかできないから今の仕事をやっているのだと。それまでは何でもやろうと思えばできると思っていた自分のなんと傲慢で身の程知らずなことか、、、。そして、あわよくば今の仕事はもしかしたら神様が与えてくださった天職なのかもしれないと(根拠のない前向きな勘違い)、目の前にあることを一生懸命やっています。
 
 それまで指導してきた慶應大学の入学試験の小論文の問題を読んで、思い出すのは口永良部島と東京のこと。なんでしょうか。当時33歳にしてやっと自分のことと今の日本のことが少し実感を持って見えてきたんです。
指導していた高校生(真之介です!)が大学に合格したら、それはもう、早速島に連れて行くしかないと。小論文の授業では行き始めたばかりの島の話ばかりだったので。20113月真之介は、初渡航。そして3日間無言()。挨拶もできないという。机の上での勉強が真っ向から役にたたない。大学に行って自分は何をするのか。おそらく様々なことを考えたのだろうと思います。そんな彼は今休学して、、、何をやっているのでしょうか、たまの電話ではかなりの成長を感じています。その「何を」がことばにならない。まだ価値として出てきていない、誰にもうまく説明できないことなのだと。その「何か」を私もまだ言葉にはでききれません。

ロゴスIES、東京の小さな寺子屋(学習塾)ではその説明できないところに切り込めるくらい色んな視点から自分に取り組んでもらう機会を作りたいと本気で思っています。そして取り上げる題材は大学の一般入試の小論文と推薦入試のための自己推薦書です。


 夏期の合宿で取り上げる予定の慶應大学の入試の小論文の一節より。
2012年環境情報学部入試より
本当に生活者にフィットする生活用品を作ろうとすれば、そのデザインはその人のためにカスタマイズされたものとなる。しかし産業の一員として企業利益に貢献しようとするなら、ある程度の量の顧客を確保し、小さな違いは無視して、多く作るための方法とコストに配慮しなければならない。ここに個人の価値感と企業の価値感の衝突が生じる。

島の人たち自分たちのもの自分たちで作ってるじゃん!

2013年環境情報学部入試より
 暗黙知のひとつに身体知とよばれるものがあります。例えば、自転車に乗れるようになったときのことを思い出して下さい(中略)身体知の獲得においては、言葉によって説明ができなくとも、どのようにすればよいのか、すなわち、howを知ることが、身体を動かすことによって得られます。文字や言葉だけによって得ることのできない身体知を獲得するプロセスは、皆さんがこれまで学校教育のなかで学んできた知識の学び方とは異なるといえるでしょう。

 島では机の上の知ではなくて様々な暗黙知、身体知に溢れているじゃん!

2011年総合政策学部入試より
現在の日本は大きな変動期にあります。たとえば資料2は日本の最近の「豊かさ」や国際競争力が低下しつつあると指摘しています。資料3は日本人の生活満足度が低下していると憂い、ブータンの国民総幸福度の考え方を紹介しています。
 また最近の気候変動に代表される地球規模の環境問題は、人間活動の基盤である水・大気・土壌といった自然システムの容量は無限であるとか、人間の活動の大きさや拡大速度が地球の歴史から見るとほとんど取るに足らない、と考えることがもはやできないという事実を提示しています。資料5は今日何が善良な生活か、何が正義かを考え語ることの重要性を語っています。
問1資料1~6を参考にして君が日本をデザインするとき1どのような日本を良い日本だと考えますか、2その根拠となる価値感はどのようなものですか、3実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと、の三点を説明してください。(800字以内、図を挿入しても構いません)

こういった小論文の内容、まさに庄二さんや裕子さんに民宿で伺った話ばかりなんです。国家や市場主義、人間の幸せが迷走し尽くした結果、たどりつく先が口永良部島であり、現在の最先端が「民宿くちのえらぶ」であると私は勝手に考えています。彼らが東京で受験生であるという狭い視野から大きな視点。そして新たに自分や社会を見直すための念願の合宿を是非「民宿くちのえらぶ」でと強く考えています。受験しか見えてない若者にその先の景色をみせたいのです。


またもう一方の講座では自分が将来どんな大人になりたいか、どんなことをやりたいのかを書く推薦入試のための講座ももう一つの柱にしたいと思っています。こちらは自分の将来を見据えるため、大藤が33歳で経験したことを10代の高校生に島での感覚的刺激と対話により授業により未来の自分を表現させたいと考えています。


明日にでもお電話させていただきます。








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